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藍染手織り

久留米かすりメーカーとして


野村織物は久留米絣のメーカーです。要するに生地生産者なのです。
久留米絣製造一筋に123年目になりますが、節目の125周年へ向けた動きを始めようとしています。

久留米絣メーカーとして、2代目は「生地を作ってなんぼ」ととにかく多くの久留米絣を世に送り出してきました。その頃は「ガチャ万」時代と呼ばれ、織機(生地を織る機械)がひと織り“ガチャ”と動けば、1万円というとにかく売れた時代だったとのこと。生地を織ることだけに集中し、出来上がった生地を問屋さんが大量に仕入れてくれたアノ頃を「良い時代だった」と振り返る先輩方もいます。それもそのはず、着物幅の久留米絣は着物1着をお仕立てするのに約12mを必要としますから、着物屋さんが10着の着物を販売するとなると一度に120mは売れる訳です。

その後時代は変わり、和装よりも洋装に比重が大きく移り変わった日本人の服装。昭和の時代を駆け抜けた3代目は、これまでの久留米絣の概念に色を加えることを思いつくのです。黒や紺地の多かった久留米絣に鮮やかな色を付けたのです。女性のファッションが自由になり、海外のファッション誌を飾るスーパーモデルに憧れを抱いた時代にヒントを受けたのかもしれません。それからというもの、自社で染色を行う数少ない織元である「野村織物」は豊かな色を表現できる久留米かすりメーカーとして今も無数のカラーを生み出しています。

そして間もなく125周年を迎えようとしている4代目は「久留米かすりのブランド化」をテーマに試行錯誤しています。分業制で製造する久留米絣は先染め織物として世界中から高い評価を受けています。職人の手仕事が生み出すそのひとつひとつは、その手技に見惚れるほどの職人ワザ。実に完成までに約3ヶ月の時間を要し、時に天候に左右されながら自然とともに造り上げています。
野村織物はSNS等公の場で、あまり未来予想図を語ってきませんでしたが、今後、徐々にその想いやカタチをこの場でお伝えしていきたいと思っています。

なにより、久留米かすりをご愛用いただく皆様に「久留米かすりを持つ魅力」をますます感じていただきたい思い、そして野村織物の久留米かすりを身に着けることを自慢してもらえるような久留米かすりメーカーでありたいという想いからです。
これまで「野村織物」という名前を直接知っていただく機会が少なかったのは、生地メーカーとして徹してきた歴史があったから。これからは生地メーカーとしての揺るがない基盤をもとに、ますます「久留米かすり・野村織物」を広く知っていただきたいと思っております。

のこぎり屋根と紅葉

秋深まる野村織物。のこぎり屋根と紅葉。DSC_5138

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